第一種貨物利用運送を始めるには?要件を解説!
こんな方にオススメ!
「利用運送事業に興味はあるけれど制度が複雑でわかりにくい…」
「まず何から手を付ければいいのかわからない…」
「事務所はどんなものを用意すればいいんだろう…」
物流業界は2024年問題により労働力不足が加速、消費者の需要の高度化・多様化に伴う貨物の小口化・多頻度化等への対応・環境負荷の低減など、国は様々な問題に対し精力的に取り組んでいます。
そしてまさに貨物利用運送は業界が抱えた様々な問題に対応できるポテンシャルを秘めた業種です。
第一種貨物利用運送では荷主と運送事業者を繋ぎ輸送効率を向上、中小運送業者が苦手とする荷主への営業をサポートする側面も有しています。
第二種貨物利用運送では、荷主に対し様々な輸送手段を提案、モーダルシフトや輸配送の集約など輸送効率や環境負荷低減へのアプローチが可能です。
さらに貨物利用運送事業は少ない資金かつ従業員が1人でも始められる運送関連事業ということで近年注目を集めており、一旦は利用運送事業で資金や顧客を集め、後に運送業許可へステップアップするという方も一定数いらっしゃいます。
許認可や登録などの行政手続きに共通して言えることですが、要件を満たすことで初めてスタート地点に立つことが出来ます。貨物利用運送事業も例外ではありません。
ですので「まず何から手を付けていいかわからない…」というお悩みをお持ちの方は、要件として何が求められるのか知ることから始めてみましょう。
この記事では「貨物利用運送事業を始める際の要件」について解説していきますので、是非最後までお付き合いください!
目次
そもそも貨物利用運送事業とは?
貨物利用運送事業の定義は「自らの運送機関を利用し運送を行う者(実運送事業者)の行う運送を利用して貨物を運送することを行う事業」とされています。
すこしわかりにくいのですが、要するに荷主から預かった荷物を運送事業者に運んでもらう業態であり、利用運送事業者自身は輸送手段を持つ必要がないのです。ここが運送業許可と比較して開業時に必要となる資金を大幅に抑える事ができる理由の1つといえます。
開業資金も抑えることが出来て輸送は運送事業者に任せることが出来るなんてメリットばかりだと感じられるかもしれませんが、利用運送事業を行う際は「荷主に対し運送責任を負うのは利用運送事業者である」という点に十分注意が必要です。
あくまで荷主は利用運送事業者と荷の輸送契約を結んでいるだけであって、勿論その後のことは利用運送事業者の責任で行われます。
実際に利用運送事業を続けていれば事故などで荷がダメになってしまうこともあるでしょう。
そんなときの為に実運送事業者と利用運送契約を結ぶ際に利用運送契約書を交わし責任や賠償の範囲などを明文化する等、後々面倒なトラブルに発展しないように十分工夫が必要です。
第一種登録の要件
ここから本題の要件解説に入っていきます。
第一種貨物利用運送事業の登録要件は大きく分けて「事業遂行に必要な施設」「財産的基礎」「欠格要件」の3つに分けられます。
営業所要件
使用権原のある営業所、店舗を有していること
使用権原を有する営業所を用意する必要があります。
自己所有の場合は登記簿謄本、賃貸借の場合は賃貸借契約書をあらかじめ用意しておきましょう。
賃貸の場合、トラブル防止の観点から、建物の用途が「営業所」や「事務所」となっているか確認し、大家さんに対し営業所として使用するつもりだとしっかりと伝えましょう。
営業所等が都市計画法等関係法令の規定に抵触しないこと
手続き上は、当該営業所の候補地が関係法令に抵触しない旨の宣誓書を提出することで簡単に終了してしまいますが、この項目は営業所決定にあたり非常に重要な要素となっています。
十分な調査を行うことなく不動産を契約してしまい、経営開始後に法に触れることが発覚してしまったような場合、もちろん行政は見逃してくれませんので契約は慎重に行いましょう。
都市計画法では当該候補地が「市街化調整区域」でないか、「第一種住居専用地域」などの住居専用地域ではないかなどに注意が必要です。
その他にも、土地の地目が「田」や「畑」となっている場合は農地法に抵触していますので、どうしてもその土地を利用したいといった場合は事前に農地転用の手続きが必要になります。
この要件は特に重要で複雑な項目ですので契約前に一度行政書士へご相談ください。
2.財産的基礎
純資産300万円以上が求められます。
一定の財産的基礎すらない事業者を認めてしまうと、すぐに倒産してしまうなど利用運送事業界全体の信頼が低下する可能性があるからです。
それぞれ資産の確認方法は以下の通りです。
既存法人:直近事業年度における貸借対照表
法人を設立しようとするもの:株式の引受け又 は出資の状況及び見込みを記載した書類
個人:財産に関する調書
純資産300万円が必要とありますが、300万円もないといった場合はどうすればいいのでしょうか?
融資を受ければいいのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、現金は増えても将来的に返済が必要な「負債」が増加したという面もあります。
ですので、結論として融資では純資産を増やすことが出来ないのです。
もし純資産を増やしたい場合は、「増資」の手続きをしたり、個人的な財産を持ち込むことで純資産の増加を図ることが出来ます。
その際は登記の変更が必要になりますのでお知り合いの司法書士さんへご相談いただければと思います。
経営主体が欠格要件に該当していない
欠格要件という言葉自体よくわからないかもしれませんが、一覧を見て頂ければ理解して頂けると思います。
(欠格事由)
第二十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、第二十条の許可を受けることができない。
一 第六条第一項第一号*から第四号までのいずれかに該当する者
*一 一年以上の懲役又は禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
二 第一種貨物利用運送事業の登録又は第二種貨物利用運送事業の許可の取消しを受け、その取消しの日から二年を経過しない者
三 申請前二年以内に貨物利用運送事業に関し不正な行為をした者
四 法人であって、その役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。以下同じ。)のうちに前三号のいずれかに該当する者のあるもの
つまり、以前に「懲役を受けた過去がある」「許可の取り消しを受けていた過去がある」などの場合、欠格要件に該当してしまうため、決められた時間が経過するまで登録を受けることが出来ない。というものです。
このとき注意が必要になるのが、自身以外の役員や相談役、顧問等も欠格事由に該当していないことが求められるということです。役員や社員の名簿、履歴書などを提出しなければならないので、しっかりと確認を行う必要があります。
まとめ
以上、「第一種貨物利用運送事業の要件」について解説していきましたがいかがだったでしょうか?
利用運送登録は確認すべき事項や、用意するべき書類も多いので本業で忙しい事業者様が自ら申請行うことは難しいです。
そこでオススメなのが行政書士の利用です。
行政書士を利用することで
・事業者様が本業に専念して頂くことにより利益を上げることが出来る
・事業者様の勉強時間や手間を削減し、かつ確実な手続きを実現
・コンプライアンスについてサポートを受けることで事業の安定的かつ持続的な発展を目指すことが出来る
・顧問契約を結ぶことで困りごとについてのアドバイスや相談を受けることが出来る
など、運送事業者様にとって様々なメリットがあります。
さらに、弊所は数ある行政書士事務所のなかでも運送業を専門に取り扱っている行政書士事務所であり、元ドライバーである行政書士が貴社の運送業経営を徹底サポートいたします!
弊所は数ある行政書士事務所の中でも運送業を専門に取り扱っている行政書士事務所ですので、帳票類管理や事業計画の変更があった場合の認可申請や届出など、適法化へのサポートも取り扱っています。
忙しい事業者様や運行管理者様のお手を煩わせることなく、素早く確実な手続きを提供させていただき、「法令遵守の社内風土作り」「業務改善」や「リソース確保」にもお役立ちすることが出来ます。
お困りのことがありましたら是非お気軽にご相談ください!
↓無料相談はこちらから↓