【19才で大型免許】「受験資格特例教育」について解説!
こんな方にオススメ!
「若い子を雇ったけど普通免許や準中型じゃ少し頼りない…」
「大型を運転できるドライバーを少しでも増やしたい…」
「運転経歴だけでもクリアできれば大型免許取れるのに…」
人手不足は運送業界が抱える大きな問題です。
令和6年1月の自動車運転従事者の有効求人倍率は2.83と全職業平均1.27と比較し倍以上となっており、(厚生労働省:一般職業紹介状況(令和6年1月分)について)人材確保自体が困難です。
その背景として少子高齢化やECサイトの隆盛による物量増加、世間が持つトラックドライバーに対してのネガティブイメージなど様々なことが考えられますが、正直一企業だけではそれらの問題を根本から解決することは難しいでしょう。
さらに追い打ちをかけるように2024年4月から時間外労働の上限規制が適用開始、改善基準告示に定める拘束時間等の基準も改められ人手不足が加速したかたちです。
さすがに国も見かねて対策をいくつか用意し、その一環として令和4年5月13日に改正正道路交通法が施工「受験資格特例教育制度」が制定されました。
施工前、大型や中型免許の取得には一定の条件があり条件を満たすには時間の経過を待つしか対応はありませんでした。
しかし現在はこの特例教育が制定され、制度利用により取得条件を大幅に緩和することが可能になりました。
免許受験資格
大型免許を取得条件するためのは「21歳以上」かつ「普通免許などを3年以上保持」
中型免許であれば「20歳以上」かつ「普通免許などを2年以上保持」
↓
大型・中型問わず19歳以上かつ普通免許等保持1年以上
この制度を上手く活用することが出来れば、若いドライバーのモチベーションアップや人材育成が加速すること間違いなしです!
この記事では「受験資格特例教育」について解説していきますので是非最後までお付き合いください!
目次
受験資格特例教育制度とは?
ここから「受験資格特例教習及び若年運転者講習に係る標準指導要領について」という通達の内容を基に受験資格特例制度について解説していきます。
制定の背景
運送業界はトラックを使用し貨物を運搬する貨物運送事業だけでなく、タクシーやバスなどを使用し人を運ぶ旅客運送事業も存在しています。
そしてその旅客運送事業者も貨物運送事業者と同様に慢性的な人手不足に悩まされているのです。
そんな旅客運送事業者から若年者の雇用拡大につなげるため第二種運転免許の受験資格要件引下げの要望がなされ、警察庁における検討の結果、道路交通法一部改正、道路交通法施行令一部改正が行われる運びになりました。
当然一番重要視すべき要素である安全性に影響のある事項となりますので慎重な判断が要求されます。
そこで警察庁は令和元年度に実験教習等を内容とする調査研究を実施。
当該教習カリキュラムを受けることによって第二種免許の受験資格である年齢要件及び経験要件が担保する資質を十分に養成することができたことから、教習制度により第二種免許の受験資格を「19歳以上かつ普通免許等保有1年以上」に特例的に引き下げることが可能とされました。(「受験資格特例教習及び若年運転者講習に係る標準指導要領について」より)
その結果、横展開として貨物運送事業者が取得する1種免許についても適用されるようになった。という背景があります。
制度の内容
改正内容第二種免許等の受験資格の見直しに係る改正法の主な内容は、・ 受験資格特例教習を修了した者については、第二種免許・大型免許・中型免許の受験資格を19歳以上かつ普通免許等保有1年以上に特例的に引き下げること。・ 年齢要件に係る特例を受けて第二種免許等を取得した者が21歳(中型免許は20歳)までに違反をして一定の基準に該当した場合は、若年運転者講習の受講を義務付け、不受講者及び受講後再度違反をして一定の基準に該当した者については、年齢要件に係る特例を受けて取得した免許を取り消すこと。の2点である。
受験資格特例教習及び若年運転者講習に係る標準指導要領についてより抜粋
この文章を2つに割って解説します。
教習を修了した者は、第二種免許・大型免許・中型免許の受験資格を19歳以上かつ普通免許等保有1年以上に特例的に引き下げる
一見単純そうな内容ですが、この項目について解釈を進めると重要な要素が含まれていることがわかります。
まず、「特例教育を受ける人は3種類に分けられる」ということ
そして「3種類のうちどれに該当するかで受けるべき教育の内容が変わること」です。
その3種類とは
「年齢、免許保持歴ともに引き下げが必要」
「免許保持歴のみ引き下げが必要」
「年齢のみ引き下げが必要」
の3種類です。
3種類のうちのどれに分類されるかによって、受けさせるべき教育に違いが出てきます。事業者様が直接教育を行うわけではないので教育内容について詳しく把握しておく必要はありませんが、費用や期間の目途がつきますので、教育を受けさせたいドライバーがどれに分類されるのかは把握しておきましょう。
年齢要件に係る特例を受けて第二種免許等を取得した者が21歳(中型免許は20歳)までに違反をして一定の基準に該当した場合は、若年運転者講習の受講を義務付け、不受講者及び受講後再度違反をして一定の基準に該当した者については、年齢要件に係る特例を受けて取得した免許を取り消す
ここで早速 年齢要件に係る特例を受けて第二種免許等を取得した者と出てきました。
ここでは先ほどの「年齢、免許保持歴ともに引き下げが必要」と「年齢のみ引き下げが必要」であったドライバーが対象になります。逆に「免許保持歴のみ引き下げが必要」がドライバーはこれに該当しません。
早速内容を要約、補足をしますと
・若年運転者期間中(21歳未満(中型免許は20歳))に違反行為をして累積点数が3点以上となった場合、若年運転者講習の受講が義務付けられる(一度で3点以上の場合4点以上)
・講習を受けないまたは受講後にまた一定以上の違反(累積3点)をした場合免許の取り消し
といったものです。
若年者はエネルギッシュでいいのですが、運転が比較的荒くなる傾向にありますので年齢についての引き下げを行った運転者については、特にデジタコなどの運転記録を使用した教育に力を入れ、行うことをおすすめします。
教育内容について
ここからは特例教育の教育部分について解説していきます。
「年齢、免許保持歴ともに引き下げが必要」な運転者→年齢・経験過程
「年齢のみ引き下げが必要」な運転者→年齢課程
「免許保持歴のみ引き下げが必要」な運転者→経験課程
3種類のどれに該当するかでそれぞれ受けるべき教育内容が違ってきますので、教育を行うドライバーがどれに該当するのか十分に把握しておきましょう。
必要学習時間
年齢・経験課程
1段階 | 2段階 | 合計 | |
---|---|---|---|
技能教習 | 11時限 | 20時限 | 31時限 |
学科教習 | 2時限 | 3時限 | 5時限 |
合計 | 36時限 |
年齢課程
1段階 | 2段階 | 合計 | |
---|---|---|---|
技能教習 | 2時限 | 2時限 | 4時限 |
学科教習 | 2時限 | 1時限 | 3時限 |
合計 | 7時限 |
経験課程
1段階 | 2段階 | 合計 | |
---|---|---|---|
技能教習 | 9時限 | 18時限 | 27時限 |
学科教習 | 無し | 2時限 | 2時限 |
合計 | 29時限 |
最短でどれくらいかかる?
年齢・経験課程の場合→11日
経験課程の場合→9日
年齢課程の場合→2日
とされているようです。
実際に受けさせるには?
受験資格特例教育受けさせようと決めたら早速教育を取り扱っている教習所に問い合わせしてみましょう。
埼玉県は親切に実施教習所を一覧表示してくれていますので、付近の教習所があればそこに申し込みを行いましょう。
*注 特例教育はあくまで受験資格を引き下げる教育ですので、免許を取得することが出来る内容のものではありません。教育が無事終了したら通常の教習に移行するか直接運転免許センターで試験をうけ、免許取得をしてください。
まとめ
以上、「受験資格特例教育」について解説していきましたがいかがだったでしょうか?
上手く利用することが出来れば
大型トラックを運転できる人材を早く確保できるほか、例えばこの制度を自社で活用しているよ。という例を求人に記載しアピールポイントとすることなども考えられるでしょう。
ただしこの制度、画期的な反面で特例教育と免許取得の費用が二重でかかってしまい経費として痛手になることは確かです。
厚生労働種の新規学卒者の離職状況によると令和2年の学歴別就職後3年以内離職率(高卒者)はの37.0%です。
この数字を見ても必要な投資だと思って導入をするか、はたまた安定を取り導入しないか。
どちらにせよ慎重な判断が必要となることでしょう。
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