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【2025年9月最新】運送業の業務効率化を実現する e-Govオンライン申請 実践ガイド|行政書士が解説

2025年9月、ついに運送業の許認可申請に e-Gov オンライン申請 が導入されました。これまで紙での申請や運輸局への持参が必要だった手続きが、オンラインで完結できるようになり、業務効率化の大きな一歩となります。

この記事では、運送業経営者の方へ向け、制度概要と実務での活用方法を運送業専門行政書士の視点からわかりやすく解説します。

実際に申請するための流れや準備事項も整理しましたので、ぜひ社内の効率化にお役立てください!


1. 運送業にオンライン申請がついに来ました!

運送業に関わる許認可申請は、これまでほぼ全て「紙ベース」でした。

書類を準備し窓口に持参、あるいは郵送するのが当たり前。
経営者や担当者にとっては時間的・労力的な負担が大きいものでした。

そこで、2025年9月から国土交通省が e-Gov(イーガブ)を通じ、運送業に関する申請のオンライン化を先行運用開始。
本運用は2025年12月1日から開始の予定です。

これにより「ついに運送業の許認可申請にもオンライン申請が来た!」と大変大きな話題になっています。

では早速どのような手続きがオンラインで申請可能になったのか見てみましょう。


2. オンラインで可能になった手続き一覧

9月1日~の先行運用から順にどのような手続きがオンラインで申請できるようになったのかを見ていきましょう。

貨物運送業者さんが触れる機会が多いであろうものにはマーカーを引いています。

2025年9月1日~ 先行運用

一般・特定貨物(トラック)

  • 一般貨物自動車運送事業の運送約款の設定・変更の認可
  • 貨物自動車運送事業者の運賃及び料金の届出
  • 貨物自動車運送事業の安全管理規程の設定変更届
  • 貨物自動車運送事業の安全統括管理者の選任又は解任の届出
  • 整備管理者の選任・変更・廃止の届出
  • 運行管理者・補助者、安全管理者の選任・変更・解任の届出

一般・特定旅客(タクシー)

  • 一般旅客自動車運送事業の運送約款の設定・変更の認可
  • 旅客自動車運送事業者の安全管理規程の設定変更届
  • 旅客自動車運送事業者の安全統括管理者の選任又は解任の届出
  • 整備管理者の選任・変更・廃止の届出
  • 運行管理者・補助者、安全管理者の選任・変更・解任の届出

一般・特定旅客(バス)

  • 一般乗合旅客自動車運送事業の許可
  • 一般乗合旅客自動車運送事業の事業計画の変更等認可・届出
  • 一般乗合旅客自動車運送事業の事業又は路線の休廃止に係る事業計画変更日の繰り上げの届出
  • 一般乗合旅客自動車運送事業者の運輸協定の締結・変更の認可
  • 旅客自動車運送事業者の安全管理規程の設定変更届
  • 旅客自動車運送事業者の安全統括管理者の選任又は解任の届出
  • 一般乗合旅客自動車運送事業の譲渡譲受等の認可
  • 整備管理者の選任・変更・廃止の届出
  • 運行管理者・補助者、安全管理者の選任・変更・解任の届出

2025年12月1日~ 本運用開始

一般・特定貨物(トラック)

  • 貨物自動車運送事業の許可
  • 貨物自動車運送事業の事業計画の変更等認可・届出
  • 一般貨物自動車運送事業の譲渡譲受・合併・分割・相続の認可
  • 貨物自動車運送事業の休止、廃止及び再開届出
  • 貨物自動車運送事業者 運輸開始前・運輸開始届
  • 一般貨物自動車運送事業の譲渡譲受・合併・分割の終了届出
  • 一般貨物自動車運送事業者の事業報告書・事業実績報告書の提出
  • 自動車運送事業者の事故報告書の提出

一般・特定旅客(タクシー)

  • 一般乗用旅客自動車運送事業(法人タクシー・個人タクシー・福祉輸送事業限定)の許可
  • 一般乗用旅客自動車運送事業(法人タクシー・個人タクシー・福祉輸送事業限定)の譲渡譲受等の認可
  • 輸送実績報告書の提出(法人タクシー・個人タクシー・福祉輸送事業限定)
  • 自動車運送事業者の事故報告書の提出

一般・特定旅客(バス)

  • 一般貸切旅客自動車運送事業の許可
  • 一般貸切旅客自動車運送事業の許可の更新
  • 一般乗合旅客自動車運送事業の運賃・料金の設定・変更の認可・届出
  • 一般貸切旅客自動車運送事業の運賃・料金の設定・変更の届出
  • 一般貸切旅客自動車運送事業の事業計画の変更等認可・届出
  • 一般乗用旅客自動車運送事業(法人タクシー)の事業計画の変更等認可・届出
  • 一般乗用旅客自動車運送事業(個人タクシー)の事業計画の変更等認可・届出
  • 一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)の事業計画の変更等認可・届出
  • 一般乗合旅客自動車運送事業の運行計画の設定・変更の届出
  • 自動車運送事業者の事故報告書の提出    等

2026年以降~

  • 特定旅客自動車運送事業の許可など特定旅客の申請
  • 自家用有償旅客運送(ライドシェアやバスやタクシーのみでは十分な移動サービスが提供されない地域で、市町村やNPO法人などが自家用車を用いて有償で住民や観光客を運送するバスなど)の登録の申請・更新・変更届・廃止届・輸送実績報告書提出
  • 運行管理者資格者証の交付・再交付・訂正
  • 土砂等運搬大型自動車の表示番号の指定・使用廃止届出
  • 一般貨物自動車運送事業の運送利用管理規程(全年度貨物利用運送に係る貨物取扱量合計が100万t以上の者に限り義務有)の設定・変更・の届出、及び運送利用管理者の選任・解任届出
  • 自動車運送事業者の各種点呼(IT・遠隔・自動点呼等)の実施・変更・終了の届出・報告(一般貨物、特定貨物、貨物軽、特定第二種貨物、一般旅客、特定旅客) 等

今後は、貨物運送業許可の更新制が導入される予定であり、制度が施行され次第、手続きの追加や変更も随時行われていく見込みです。

とはいえ、オンライン申請が始まったからといって、既存の書類整理や社内のコンプライアンス体制の整備が不要になるわけではありません。
オンライン化はあくまで効率化のための仕組みであり、法令遵守や管理体制を自動的に解決してくれるものではありません。

その一方で、事業計画や各種申請の履歴・進捗状況をオンラインシステム上で一元管理できるようになったのは大きな前進です。
今後はオンライン申請への対応が必須となり、経営者としては「コンプライアンス体制の維持」と「オンライン環境の活用」を両立させていくことが求められます。

そのためにも、早めに運送業専門の行政書士に相談したり、社内でスムーズに対応できる体制を整えておくことが、これからの運送業経営には欠かせません。


3. 紙申請と比べた e-Gov 活用のメリット

e-Govオンライン申請の導入で得られる主なメリットは、単なる「便利さ」だけでなく、管理者が日常的に直面している悩みを解消してくれる仕組みにあります。

1.移動コストの削減
これまで担当者が書類を持って運輸支局まで出向いたり、郵送でやり取りをしていた時間とコストが、オンライン化により一部の手続きを除いて不要になります。その分の労力を本来の営業や運行管理に振り分けられることは、会社全体の生産性向上に直結します。

2.ペーパーレス化による管理効率化
提出した書類や行政から返ってくる公文書はすべて電子データで保存可能となり、紙ファイルをキャビネットに積み上げる必要はありません。
しかも電子化されることで 社内の情報共有が格段に容易 になります。
例えば、営業所ごとの車両情報や申請の進捗状況を、本社と支店の両方で同時に確認できるようになり、「どこまで手続きが進んでいるか分からない」といった社内のコミュニケーションロスを解消できます!

3. 申請情報を一元管理
これまで担当者個人のPCや紙ファイルに散在していて、担当者が居ないと何もわからない!
といった状況になったことはありませんでしょうか?
オンライン申請を導入すると、情報がオンライン上に整理され、担当者だけでなく情報を必要としている社内の人間がいつでも会社全体の事業計画や申請履歴を把握できるようになります。
これにより経営判断のスピードも上昇し、将来的にコンプライアンスの強化へとつながります。

総じて、e-Govオンライン申請の導入は、単なるIT化ではなく、
人件費の削減・業務効率の改善・社内情報の共有強化・コンプライアンス体制の底上げ という経営課題に直結した解決策となります。

まさに、現場で「困っていること」を減らし、経営者が本来注力すべき事業戦略に専念できる環境を整える制度といえるでしょう。


4. 導入前に押さえるべき準備と注意点

(1)アカウントの準備

e-Govを利用するには、以下のいずれかのアカウントが必要です。

  • e-Govアカウント(一番シンプル)
  • GビズIDプライム(色々な行政サービスをオンラインで受けられるようになる。オススメ)
  • マイクロソフトアカウント(個人利用や小規模事業者向け)

運送会社であれば、将来を見据えて GビズIDプライム を取得しておくのがおすすめです。

ID取得まで2週間ほど時間がかかるので先行して手続きをしておきましょう。

(2)PC環境の整備

申請には専用の「e-Govアプリ」をPCにインストールする必要があります。
Java環境も必要となるため、事前に動作環境を確認しましょう。

ちなみにスマートフォンからは申請できません。


5. 申請ステップ

ここからは、実際に申請するときの流れを簡単に整理しておきます。

  1. e-Govアプリのインストール
    e-Gov公式サイトからダウンロードし、PCに導入。初回起動時に必要な設定を済ませます。
  2. アカウントでログイン
    取得済みのアカウントでログイン。
  3. 対象手続きの検索と選択
    e-Govトップ画面から自身が行いたい手続きをキーワードで検索し、該当する申請手続を選択します。
  4. 申請書の作成
    入力フォームに沿って必要事項を記入していきます。
  5. 添付書類のアップロード
    各種契約書、車検証写し、運行管理者資格者証など申請に必要となる書類をPDF等で添付します。
    事前にスキャンをするなど電子化しておくとスムーズです。
  6. 申請データの送信
    送信完了後、到達番号や到達日時、申請の名称などが表示されます。
    その時に右側にある申請書控えダウンロードのボタンを押下し控えを確実に入手しておいてください。

    理由としては
    今回行った申請に対し、審査が終了または届出が完了してしまうと最新版の申請書控えがダウンロードできなくなってしまうからです。
    申請書の提出や補正が完了するたびに、手続完了の証跡として、申込書の控えを毎回確実にダウンロードし、申請案件状況ページとともに保存・管理してください。

以上の流れを把握しておけば、スムーズに申請が完了するかと思います。

システムについてのご質問は、e-Gov利用者サポートデスクの「お問合せ」ページへお願いいたします。


まとめ

2025年9月から先行運用が始まった e-Gov オンライン申請は、運送業界にとって大きな節目となります。

これまで窓口や郵送で行っていた手続きがオンライン化されることで、効率化や情報の一元管理が可能になり、法令遵守体制の強化にもつながっていくでしょう。
ただし、アカウント取得やPC環境の整備、対応するスタッフの教育といった準備は必要不可欠であり、今後予定されている許可更新制も含め、制度の変化に対応していく姿勢が今後、経営者や管理者に求められます。

一方で、「近くに相談できる専門家がいない」といった声も少なくありません。
行政書士の扱える業務範囲はとても広いため、行政書士に依頼していても、法令に対する理解度や取扱業務の分散により経験に違いが出てきます。
それより弊所は「申請に時間がかかる。」「どうにもレスポンスが悪い。」という相談を運送業者様から受けることがあります。

弊所ではこれまで運送業者様の許認可申請をお手伝いしてきた経験から、無駄のないスムーズな対応が可能です。
オンライン申請の仕組みを活用すれば、全国どこからでもご依頼いただけますので、身近に専門家がいない運送業者様でも安心してご相談いただけます。

制度の変化にしっかり対応し、経営の安定につなげていくためにも、「まずは相談してみる」ことが第一歩です。もし実際にオンライン申請に取り組んでみて不安を感じられたり、効率的に進めたいとお考えでしたら、ぜひ一度当事務所までご相談ください。