【貨物】運送業許可取得に必要となる資金計画の算出方法について解説!
こんな方にオススメ!
「運送業起業を目指しているけど、資金をいくら準備すればいいかを知っておきたい」
「500万から2500万必要って見たけど実際はいくら必要なのか知りたい…」
「いくら必要なのか、目標となる数値を自分で出せるようになりたい…」
運送業開業の際に一番のハードルになるのが資金面です。
開業を考えていても、どうしても資金計画上の必要額に到達できず開業を見送るしかない…というケースはとても多いです。
そうならない為にも、一度、事業者様が資金計画の立て方について理解・把握しておくことは目標額を設定できるようになるという面でとても意義があるといえます。
しかし、資金計画の立て方について詳しく解説しているところは少なく、また内容も複雑なので一度取り組んでも挫折してしまう方が多いと思います。
このページではできるだけわかりやすく「運送業許可取得時に必要となる資金の算出方法」について解説していきますので、是非最後までお付き合いください!
事業計画
早速資金計画を立てていきましょう。といきたいところですが
まずは事業計画を練って、どのような会社にしていくか、具体的なものにしていく必要があります。
事業計画はこれから皆さんが運送会社を作っていくうえで欠かせない、経営の幹となる部分についての計画です。
これらを決めず、無計画で開業を目指すのは、地図を持たずに目的地がありそうな方面にとりあえず歩いているようなものです。
事業計画は、例えば以下のようなものです。
・荷主さんはどのような荷物を、どれだけの量、頻度で、どこまで運んでほしいのか
・それに対して車両はどのような仕様の車両を何台用意するのか
・従業員は何人必要なのか、給与は?賞与は?役職は?
・営業所は自宅を利用するのか賃貸なのか、都心部に構えるのかなのか地方に構えるのか
などなど、この他にも決めることは沢山あります。
ですが、ここで手を抜かず、事業計画を設定しておけば、資金計画を決める際に数字を当てはめるだけで済みますので、出来るだけ具体的な事業計画を立てていきましょう。
以下で資金計画を立てるうえで最低限設定すべき事業計画を上げていきます。
業種は何か
一口に運送業と言ってもトラックの貨物運送だけではありません。
種類として一般貨物・霊きゅう・一般廃棄物・島しょ(一般的に需要が少ない島嶼部等)があり、その中で自社がどこに該当するかをまず判断していきましょう。
一般貨物の場合は車両を5台以上用意する必要がありまずが、その他の場合は1台以上用意するだけで足りますので大きく必要資金に差が開きます。
運転手の人件費や車両代に直接係わるのでこの業種の判別は必要資金を計算するうえで重要な項目です。
不動産
所有形態の確認
自己所有かつ完済済みの場合は0円とすることが出来ます。
ローンで購入する場合は1年分の金額にプラスして頭金も計算に加える必要があります。
賃貸の場合は1年分の賃借料を計上してください。
↓営業所や車庫を探している方は是非一度こちらの記事をお読みください↓
車両
所有形態の確認
一括:購入代金を全て用意する必要があり金額が大きくなります。
ローン:頭金の有無や月々の返済プランによって必要金額が大きく異なります。
リース:頭金もなく、税金もリース会社が納めるため計算がとても楽です。メンテナンスリースの場合はプランによって点検や車検やオイル交換、一般的な整備までも料金内で行うことが出来ますので更に計算が容易になります。
車両の選定
当然ですが車両により一台当たりの燃費、税金からタイヤの値段まで違いが出てきますので確定とまではいかずとも見当は付けておきましょう。
必要資金の計算にあたり、車両を早いうちに確定することが二度手間三度手間を伏せく為にも大切です。
また、大きさや構造、仕様が荷主から預かった物に対して合わなければもちろん許可は下りません。
テキトウに車両を選定するのは後々補正を受けるリスクとなるため気をつけて行いましょう。
ヒト
従業員
ドライバー、事務員など従業員を何人にするかによって当然必要資金に変動があります。
役員報酬
予定で構いません。
従業員の給与、手当、賞与
月額で記入する為見落としがちですが、必要資金を削りたいがあまり申告する労働時間に対して給与が少なすぎると最低賃金を割ってしまうことがあります。
支局の局員も割とチェックしているところなので
くれぐれも最低賃金を割らないように注意してください。
運行管理者、整備管理者の選定
従業員が担当する場合はその給料をいくらにするか個別に書き留めておいてください。
役員の場合は役員報酬に含めても構いません。
その他
備品
その他、什器や備品等、これからそろえる必要があるものは計上しましょう。
すでに持っているPCやプリンター等がありましたらそれらの計上は不要です。
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資金計画を立てる
事業計画を決めた後は資金計画を立てていきましょう。
先述の通り、ここまで綿密に事業計画を決めたらあとは表に数字を当てはめるだけです。
下に表を用意しましたので算出した数値を表に当てはめていきましょう。
人件費
| 項目 | 明細 | |
|---|---|---|
| 役員報酬 | 月額〇万円×6ヶ月分 | |
| 給与 | 運転手 | 〇人×月額□万円×6ヶ月分 |
| 運行管理者 | 〇人×月額□万円×6ヶ月分 | |
| 整備管理者 | 〇人×月額□万円×6ヶ月分 | |
| その他 | 〇人×月額□万円×6ヶ月分 | |
| 項目 | 明細 | |
|---|---|---|
| 手当 | 運転手 | 〇人×月額□万円×6ヶ月分 |
| 整備管理者 | 〇人×月額□万円×6ヶ月分 | |
| その他 | 〇人×月額□万円×6ヶ月分 | |
| 項目 | 明細 |
|---|---|
| 賞与 | 給与月額×1回給与の〇ヶ月分×支給回数△回×1/2 |
| 項目 | 明細 | |
|---|---|---|
| 法定福利費 | 健康保険料 | (役員報酬+給与+手当)×事業主負担率〇/1000+賞与×事業主負担率 〇/1000 |
| 厚生年金料 | (役員報酬+給与+手当)×事業主負担率〇/1000+賞与×事業主負担率 〇/1000 | |
| 雇用保険料 | (給与+手当+賞与)×事業主負担率 〇/1000 | |
| 労災保険料 | (給与+手当+賞与)×事業主負担率 〇/1000 | |
| 厚生福利費 | 給与、手当、賞与の2% | |
事業主負担率とは?
法定福利費に分類される健康保険料、厚生年金料、雇用保険料、労災保険料に「事業主負担率」という記載があります。
事業主負担率の欄にどのような数値が入るのかはそれぞれ、以下のページで確認して下さい。
健康保険料→健康保険組合に加入する場合はそれぞれのHPに記載された料率を確認。
協会けんぽの場合は協会けんぽHPで自信の所属する都道府県の最新の料率を確認してください。
例えば令和7年度の埼玉県でいきますと
料率9.76%の折半なので4.88%=48.80/1000
と記入いただければ結構です。
厚生年金保険料→日本年金機構のHPを確認
令和7年度現在は18.3%で固定、それを折半した数値を記入
料率18.3%の折半なので9.15%=91.50/1000
と記入いただければ結構です。
ちなみにこちらは全国一律の数値となっています。
雇用保険料→厚生労働省HP「雇用保険料率について」を確認
令和7年度現在の事業主負担は9/1000となっていますのでこちらを記入いただければ結構です。
労災保険料→厚生労働省HP「令和7年度の労災保険率について」を確認
労災保険は全額事業主負担となる為HPに記載された数値を記入してください。
この際気を付けていただきたい点が、「事業の種類」です。
運送業なので「運輸交通事業」の4と記入してしまいがちですが、「貨物取扱業」の欄を参照し8.5と記載してください。
「貨物取扱業」に該当する職種は自動車又は軽車両や船舶による貨物の運送事業など。
対して「運輸交通事業」については鉄道、航空を利用した貨物や、自動車・鉄道・航空・船舶などの旅客についての運送事業とされます。
詳しく知りたい方は労災保険率適用事業細目表を参照してください。
交通運輸事業貨物取扱事業(港湾貨物取扱事業及び港湾荷役業を除く。)
車両関連
| 項目 | 明細 | |
|---|---|---|
| 車両費 | 購入費 | 分割の場合、頭金及び1年分の割賦金 ただし、一括払いの場合は取得価格 |
| リース費 | リース料1年分 |
| 項目 | 明細 | |
|---|---|---|
| 燃料費 | 月間総走行キロ〇km÷㍑当たりの走行キロ□km×㍑当たりの単価△円×6ヶ月分 | |
| 油脂費 | 燃料費の3% | |
| 修繕費 | 外注修繕費 | 1両月額 〇円×6ヶ月分× □両 |
| 自家修繕費・部品費 | 1両月額 〇円×6ヶ月分×□両 | |
| タイヤチューブ費 | 月間 〇本使用×1本当たり□円×6ヶ月分 | |
| 項目 | 明細 | |
|---|---|---|
| 税金 | 自動車税・重量税 | 各車両の1年分 |
| 環境性能割 | 各車両分 | |
| 保険料 | 自賠責保険 | 各車両の1年分 |
| 任意保険等 | 各車両の1年分 |
税金・保険料の数字の決めかた
自動車税→管轄の都道府県税事務所のHPを参照
重量税→国土交通省のHPを参照
環境性能割→環境性能割+計算ツール等で検索すれば自分で計算できるようなツールが出てきます。正確な数値を知りたい場合は管轄の都道府県税事務所に確認を取りましょう。
環境性能割とは?
環境性能割は以前の自動車取得税。新車中古車問わず車両を取得した際にかかるものです。
そのためリースの場合、環境性能割の計上も不要です。
自賠責保険→加入する保険会社のHPで確認できます。
任意保険→保険会社に希望するプランでの見積もりをお願いしましょう。ちなみに補償内容にもしっかり規制が設けられており、対人無制限、対物200万円以上が求められます。
不動産取得関連
| 項目 | 明細 |
|---|---|
| 営業所 | 分割の場合:頭金及び1年分の割賦金 一括払いの場合:取得価格全額 賃貸の場合:賃料1年分 |
| 車庫 | |
| 休憩施設(別で設ける場合) |
その他
| 項目 | 明細 | |
|---|---|---|
| 什器・備品類 | 取得価格 | |
| 登録免許税 | 12万円 | |
| その他 | 旅費、会議費、水道、光熱費、通信、運搬費、図書、印刷費、広告宣伝費等の2ヶ月分 | |
以上で終了です。
大変お疲れさまでした。
この資金計画表で算出した金額以上を所有している必要があるので、目標資金の目安としてみましょう。
注意点
残高証明は2度ある!
必要資金を所有しているか行政に証明する為に、銀行から発行される「残高証明」を提出する必要があります。
この「残高証明」の提出で非常に厄介なのが、申請時と運輸局から指定された日付の2回提出を要求されることです。
例えば…
必要資金2000万円で申請時の口座残高が2500万円あったとします。
その場合申請は通り、法令試験なども受け診査が続きます。
そんな中、ふいに2度目の残高証明提出の要請が来ます。
この時指定された日付では当然2000万円以上所有していなくてはなりませんが、イレギュラーが発生し残高が1900万円しかない状態であった。
そうなると申請自体が却下され、あれだけ頑張った法令試験も受け直しです。
絶対にそんな目にはあいたくないですよね?
ですので、2度目の残高証明が提出し終わるまでは1つの口座に必要資金をまとめて絶対に動かさない。等の決まりを設けましょう。
ちなみに残高証明は複数の口座を合算して提出することも可能です。
ですが、口座を管理する人が複数人に分かれてしまうと管理が大変になるので、出来るだけまとめることをおススメします。
余裕をもった状態で申請しよう
事業計画を決めて資産計画を立てていきましたが、申請後に補正指示を受けて事業計画自体に変更が生じる場合があり、そうなると当然資金計画にも影響がでます。
例えば車両の種類や大きさ、台数に変更が出た場合、
車両の代金に変更が出るだけでなく、車庫の大きさが十分でない場合は車庫も変更する必要が出てくるかもしれません。
そうなると資金計画に大きく影響が出るのは明らかです。
ここまでとは言いませんが、ギリギリの金額で提出してしまったがために、軽微な変更で申請却下となってしまうケースはあります。是非余裕を持った資金で提出するようにしてください。
まとめ
以上、「運送業許可取得時に必要となる資金の算出方法」について解説していきましたがいかがだったでしょうか?
資金計画について考えるには事業計画について考えるいいキッカケとなり、いままでフワフワしていた将来像がしっかりと形になっていきます。
こうした取り組みはお金をいくら貯めるといった目標を立てることが出来るだけでなく、具体的な将来のカタチが見えてくることにより、モチベーションを向上させる効果も期待できます。
時間もかかり大変だとは思いますが是非一度取り組んでみてください。
もし「時間がない」「面倒な作業はなるべくアウトソーシングしたい」「自身でやるには不安だから、専門家を使って確実に申請を行いたい」といった場合にオススメなのが行政書士の利用です。
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・事業者様が本業に専念して頂くことにより利益を上げることが出来る
・事業者様の勉強時間や手間を削減し、かつ確実な手続きを実現
・コンプライアンスについてサポートを受けることで事業の安定的かつ持続的な発展を目指すことが出来る
・顧問契約を結ぶことで困りごとについてのアドバイスや相談を受けることが出来る
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